奨学金とはその名前から、特に優秀な生徒に対して与えられる特典のように考えている人も多いかも知れません。その考え方は半分は正解ですが、半分は間違いで、現実には学生の進学の為の融資制度だと考えてください。
ここではその奨学金について掘り下げてみたいと思います。

奨学金を取り扱っている機関

一口に奨学金と言うと、保険会社や進学先の学校が直接扱っているような民間の奨学金制度から、地方の公益財団法人や一般社団法人公的などの公的機関が扱っているものまで一緒くたに表現することになりますが、ここでは独立行政法人であるJASSO(日本学生支援機構)が扱っているものだけを奨学金と表現します。
一般的に奨学金と言えば、これを指すことがほとんどです。その他の奨学金制度はそれぞれ基準がバラバラで、これといった統一された決まりなどはありません。

給付型と貸与型があります
JASSOの奨学金には2種類あり、給付型と貸与型に分かれています。
給付型は後から返還する必要がなく、そのまま貰える形になります。奨学金と聞くと、このイメージで考えている人も多いと思いますが、この給付型の奨学金を受ける為には貸与型より厳しい審査を通過する必要があります。
貸与型の場合もそうですが、奨学金を受ける為には、まずその申請を行います。その際に、進学先や家庭環境、学力などを元にして審査が行われます。
元々奨学金とは、進学の意志があってもその為のお金がない学生の為の支援制度です。その為、年収制限が設けられており、実質的には借り入れとなる貸与型であっても誰でも受けられるという訳ではありません。
給付型ではこの審査が貸与型よりかなり厳しいと考えてください。JASSOの奨学金のうち、給付型の支給を受けている学生は全体0.6%だというデータがあるくらいです。
この給付型の場合は別ですが、貸与型では進学先は大学や大学院だけに限りません。
各種の専門学校や訓練学校への入学の為に使用しても構いません。ですが、その進学先も審査の対象となるので、私塾のような施設のような場合には認められない可能性もあります。

貸与型の給付方法と返還について

JASSOの奨学金は本人が申請を行い、審査で合格すると、入学月から毎月決まった金額の振り込みという形で支給されます。
この金額は申請時に自ら希望するもので、大学や短期大学、各種の専門学校の場合は最低3万円から最高12万円までの範囲で、大学院の場合のみ最低5万円から最高15万円までの範囲で決めることができます。後から増額したい場合にはその申請を行うことで増額が可能ですが、必ず希望通りの金額まで増額できる訳ではありません。
例えば大学在学中の4年間に月8万円の支給を受けた場合、合計で384万円の借り入れを行ったことになります。
奨学金は在学中は当然返還の必要はありません。また、その間には金利も発生しません。そして、卒業から6ヶ月間が経過すると、返済が始まります。金利は卒業と同時に発生する仕組みで、3月に卒業した場合、金利は4月から発生しますが、返還は10月からということになります。
この返済は申請を行った本人が行う必要があり、保護者が申請や返済を行うことができる各種の学資ローンなどとは異なり、必ず本人の借り入れになります。

奨学金の金利と返済期間

貸与型の奨学金は借り入れ金という扱いなので、その金額には金利が発生します。利率は給付が終わった月によって決定しますが、最大でも年利3%までという規定がありますが、実際には1%以下のことがほとんどです。
この金利は最初に決めた金額と、増額を希望した場合で異なり、途中から増額をした場合はその分に関しては0.2%上乗せされた金利を設定されることになります。
例えば最初に毎月5万円で申請を行い、途中から3万円を増額して合計8万円とした場合、毎月3万円の部分だけを合計した金額に対しては、毎月5万円の合計と別に金利が計算されるということです。
返済期間は最大で20年で、これは支給を受けた借り入れ総額によって変化します。途中で返済の遅延を一度もしていない場合に限り、返済期間の延長を申請することが可能ですが、最大でも20年までになります。

申請には保証人が必要です

貸与型の奨学金の申請を行うには、保証人が必要になります。この保証人が用意できない場合には、機関保証制度という保証人の代わりになる保険に加入することで申請が可能になります。
機関保証制度を利用する場合、毎月保険料が掛かりますが、奨学金の金額から天引きとなる為、別にその金額を用意する必要はありません。
この保険料は受ける奨学金の金額によって異なりますが、毎月8万円の支給を受ける場合で4年間の合計が約20万円です。

立派な借り入れとして扱われます

奨学金とはいえ、これは立派な借り入れ金という扱いになります。よって、信用情報にもそれが記録されることになり、この返済中にはカードローンなどの借り入れは難しいことが多くなります。
信用情報を扱う信用機関には、銀行系のKSC、消費者金融系のJICC、信販系のCICの3種類がありますが、JASSOの奨学金は銀行系の情報として扱われ、KSCにその借り入れ状況や返済状況が記録されます。
これらの信用機関では相互にデータをやりとりできるシステムが構築されている為、例えば消費者金融に申し込みを行った場合でも、この情報は参照されてしまいます。奨学金の返済中はカードローンなどの契約は難しいかも知れません。
このように奨学金はその名前から受ける一般的なイメージとは多少異なり、立派な学費のローンだということです。